米国勢調査局(U.S. Census Bureau)は、経済センサスで事業所に業種コード(NAICS、北米の産業分類)を付けます。事業者が画面で「その他」を選び、仕事の内容を短く書くと、職員があとで手作業でコードを付けることが多く、手間とばらつきがありました。局は、自由記述から候補のコードを並べる道具「ビーコン(BEACON)」を作り、2022年の経済センサスに載せました。論文(Journal of Data Science、2025)によると、ビーコンは52万6000回使われ、あと処理が必要な自由記述が2017年より約6割減ったことに寄与しました。
経済センサスでは、あらかじめ並んだ業種の説明から選ぶほか、当てはまらないときに短い自由記述を書けます。自由記述は毎回数十万件規模で、多くは職員が手でNAICSを付けていました。同じ文でも人によってコードがずれることがあります。
ビーコンは、自由記述をきれいにしたあと、過去の正解付きの説明文など400万件超の学習データから、関連の高い6桁のNAICSを最大10件まで返します。やり方は、単語の組み合わせの見方を変えた3つの情報検索モデルを重み付けで足し、まず2桁の大分類の点を出し、そのうえで6桁の点を出す階層です。経済センサスの電子調査票から問い合わせると、平均0.17秒で候補が返りました。収集の途中で、新しく届いた自由記述を学び直す更新を4回入れています。
事業者は返ってきた一覧からコードを選ぶか、「一覧にない」を選ぶか、別の言葉で探し直せます。
| 📢 公表されている説明 | ⚠️ こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| 2022年経済センサスでビーコンを52万6000回使用。問い合わせへの平均応答0.17秒 | 1回の調査あたり何事業所が使ったか。ピーク時の失敗率 |
| 2017年と比べ、あと処理が必要な自由記述が約60%減ったことに寄与 | 60%のうち、ビーコン以外(設問の改訂・範囲の変化)の寄与。減った件数の絶対数 |
| 結果画面から選んだ人のうち82.01%が、返ってきた6桁コードを選んだ | 選んだコードが最終の公式コードとして残った割合(正しさの最終分析は進行中と論文) |
凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:Dumbacher ほか、Journal of Data Science(2025)
弱いところも論文にあります。製造業や卸売はもともと分類が難しく、試験では成功率が他業種より低めでした。スペイン語の自由記述への対応はまだ途中です。2021年の試験のあと、調査票の業種の説明にも例と除外を書き足しており、6割減のうちビーコンの分は切り分けられていません。数字はすべて調査局側の計測で、外の再測はありません。
職員100〜200人規模の商工会議所や自治体の事業所台帳で、会員・事業所の業種を短い説明から付けている仕事に当てはまります。過去に人が付けたコード付きの説明文を手本にし、新しい自由記述から候補を並べて本人(または窓口)に選ばせます。あと処理に回す件数を、前回の調査や前回の更新と比べて数えます。
米国勢調査局は、経済センサスで業種コードの候補をAIが並べるビーコンを載せました。2022年の調査では52万6000回使われ、あと処理が必要な自由記述が2017年より約6割減ったことに寄与した、と論文が書いています。数字は調査局自身の計測で、外の再測はありません。