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ヴィンテッド、検索の入力候補を人ごとに並べ替えるAIを全員に広げ、試験で候補のクリック率が全員同じ並びより約8%増

2026.10.19
ヴィンテッド、検索の入力候補を人ごとに並べ替えるAIを全員に広げ、試験で候補のクリック率が全員同じ並びより約8%増

ヴィンテッド(Vinted)は、リトアニアに本社を置く、古着などの売買サイトです。同社は、検索窓に文字を打つと出る入力候補を、利用者ごとの行動の記録で並べ替えるAIのモデルを作り、5回の試験を経て利用者の全員に広げました。同社の技術者のブログ(2026年4月22日)によると、全員同じ並びと比べた試験で、候補のクリック率が約8%高くなりました。

この事例で分からないこと

  • 約8%などは試験の数字です。どの試験か、いつ・何人・何日の試験かは書かれていません。全員に広げたあとの数字もありません。
  • 数字は同社の技術者によるもので、外の人による確かめはありません。
  • 取引が増えたと書かれているのは、スポーツ用品の分野だけです。

何が起きたか

ヴィンテッドは2008年にリトアニアで生まれ、今は25を超える市場で使われています。入力候補は24の言語、50を超える国と言語の組み合わせで出しています。候補のもとになる検索の言葉は、1億2500万あります。

候補の並びは2段で決めます。1段目では、売れ行きやクリックの多さに、人が決めた重みを掛けて点数を付けます。この点数は同じ市場の利用者なら全員同じです。その市場の「平均的な利用者」の好みに合わせた並びです。

2段目で使うのがAIです。1段目で上位に残った候補(検索を受け持つ機械1台ごとに20件)を、1文字打つたびに、学習したモデル(LightGBM。簡単な判定の木をたくさん重ねて、順番を決めるやり方)で並べ替えます。学ばせたのは、打ちかけの文字ごとに、どの候補が出て、どれが押されたかの記録です。モデルが見る項目は63個あります。

  • 打った文字の長さ、候補の長さ
  • 候補のクリック率などの人気
  • その人のクリックや購入の記録、よく見る分野
  • 国、言語、スマートフォンかパソコンか、何月か

たとえば英国で「sh」と打つと、全員同じ並びでは「shoes(靴)」「shirt(シャツ)」などが上に来ます。男性向けの品をよく押す人には「shoes men(男性の靴)」、女性向けの品をよく見る人には「shoulder bag(肩掛けのかばん)」などが上がります。並べ替えで並びが大きく変わるのは、1〜3文字しか打っていないときです。

作る途中では、次の2つの直しで並べ替えがよくなりました。1つ目は、1〜4文字の時点で押したことにされていた記録を、学習から外したことです。まだ打っている途中だからです。2つ目は、並べ替えるのを、打った文字で始まる候補だけにしたことです。打ち間違いを見込んで広めに拾った候補は、並べ替えから外しました。

試験で分かったこと

試験では、利用者を2つに分け、全員同じ並びのままの組と、並べ替える組を比べました。ふつう1週間以上かけます。

📢 公表されている説明 ⚠️ こちらで確認できていないこと
候補のクリック率が約8%、候補を使った検索の割合が約4%高い どの試験の数字か。時期・人数・日数。もとの値に比べた増え方か、ポイントの差か
長めの入力でのクリック率は最大16%高い 全員に広げたあとの数字
スポーツ用品の分野で、1人あたりの取引数が約0.91%増えた 売上全体への影響
見た候補の平均の値段が約5%上がった 外の人による確かめ

凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:ヴィンテッドの技術ブログ(2026年4月22日)

候補を使う検索の割合は数年前の8%未満から、今は20%を超えています。この伸びの多くは、AIの並べ替えを入れる前に、1段目の点数の付け方と候補の作り方を変えた段階で出ていました。

誰に関係するか

この2段の並べ方は、建材や配管の部材を売るお店で、職人さんの電話注文を受けて品名を打ち込む担当にも使えます。同じ「エル」と打っても、大工さんならL字の金具、配管工さんなら管の向きを変える継手(エルボ)が欲しいことがあります。まず店全体の「よく出る順」で候補を絞り、そのうえで、その職人さんが過去に頼んだ品で並べ替えます。確かめるときは、打った文字の長さごとに、上に出た候補が選ばれた割合を、並べ替える前と比べます。

まとめ

ヴィンテッドは、検索の入力候補を、全員同じ点数で上位に絞ったあと、利用者ごとの行動の記録を使うモデルで並べ替える仕組みを全員に広げました。全員同じ並びと比べた試験では、候補のクリック率が約8%、長めの入力では最大16%高くなりました。試験の時期・人数と、全員に広げたあとの数字は書かれていません。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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