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412フードレスキュー、ボランティアの感想を生成AIで毎日7種類の問題に分け、問題の多い寄付元を順位にして職員に渡す

2026.10.20
412フードレスキュー、ボランティアの感想を生成AIで毎日7種類の問題に分け、問題の多い寄付元を順位にして職員に渡す

412フードレスキュー(412 Food Rescue)は、店などで余った食べ物を、ボランティアの運転で施設に届ける米国ピッツバーグの団体です。運んだあとにボランティアが書く短い感想を、職員はこれまで手で読んでいました。団体はカーネギーメロン大学などの研究者と一緒に、感想を生成AIで7種類の問題に分ける道具「レスキューレンズ(RescueLens)」を作り、2025年5月15日から本番で使っています。研究者と団体の職員が書いた論文によると、過去の感想125件で人の判定と比べたところ、問題のある感想の97.4%を拾いました。AIが「問題あり」とした感想のうち、本当に問題があったのは83.3%です。

何が起きたか

412フードレスキューでは、数千人のボランティアが、専用のアプリの案内で食べ物を運びます。1回の運びは30分ほどです。食べ物を出すのは食料品店や卸の会社、受け取るのは公営住宅の運営団体や保育所、教会などです。

運ぶたびに、団体はボランティアに4段階の評価と感想を求めます。2018年からの20万回を超える運びで、文で書かれた感想は1万4439件あります。1年に届く感想は1800件を超えます。職員はこれを手で読んでいました。読み方の手順も文書になっておらず、どの問題を先に扱うべきか、どれがたまにしか起きないのかをつかみにくい状態でした。

研究者はまず、2024年の感想250件を読んで、職員が手を打つ問題を7種類に決めました。

  • 寄付元の食べ物が足りない
  • 先に別の人が持っていった
  • 寄付元とのやりとりの問題
  • 届け先が閉まっているなどの問題
  • 連絡先を直す必要がある
  • アプリの不具合
  • 道順や案内が分かりにくい、または違っている

分けるのは、生成AIの GPT-4o mini です。種類ごとに、背景、やること、細かい決まり、理由を添えた例文3〜8個を指示に書きます。AIに追加の学習はさせていません。

本番では毎日、前の日の感想を7種類に分けて団体のデータベースに入れます。職員は画面で日付や種類を選んで感想を探せ、チャットの道具のスラック(Slack)にも毎日一覧が届きます。月に1回は問題の多い寄付元と届け先の順位と、道順の書き直し案を職員に渡します。順位は、その寄付元や届け先への運びのうち、評価で満点の4が付かなかったか、問題の種類が付いた運びの割合で決めます。書き直し案は、感想に新しい情報があるとAIが判断したときだけ作ります。

確かめた結果

研究者は2024年の感想から無作為に125件を選び、2人が別々に判定してから話し合って答えを決めました。その答えとAIの分け方を比べています。

🤖 分け方 問題のある感想を拾った割合 「問題あり」のうち本当に問題ありの割合 1年あたりの費用
GPT-4o mini(使っているもの) 97.4% 83.3% 15ドル
GPT-4o 94.9% 88.1% 250ドル
単語の出方で分ける方式(TF-IDF) 100% 31.0% —

出典:論文の表1。単語の出方で分ける方式は、すべての感想を「問題あり」としたため、拾った割合が100%になっています。

作った人たちは、問題のない感想を「問題あり」とする誤りが増えても、問題の見落としを減らすほうを選びました。まちがって拾った感想は、職員があとで外せるからです。

寄付元を順位にすると、全体の0.5%にあたる5か所が、4種類の問題では、ボランティアが挙げた件数の30%超を占めていました。この5か所が受け持つ運びは全体の2.5%です。寄付元担当の職員は聞き取りで、「AIが挙げた感想の約50%は手を打てるもの」と話しています。

📢 公表されている説明 ⚠️ こちらで確認できていないこと
過去の感想125件で、問題のある感想の97.4%を拾った 本番で分けた感想での正しさ
2025年5月15日から本番で、論文の時点で600件超を分けた 論文の別の箇所にある「1200件超」との違い
寄付元の0.5%が、4種類の問題の件数で30%超を占めた その寄付元に働きかけて、問題が減ったか
職員に毎日、分けた感想の一覧が届く 職員の手間がどれだけ減ったか
論文の要約では、問題の96%を拾い、「問題あり」のうち71%が正しい 要約の数字と表の数字(97.4%・83.3%)の関係

凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:レスキューレンズの論文(AAAI-26、2026年)

誰に関係するか

訪問介護や訪問看護の事業所で、訪問のあとの記録を読む事務の担当にも使えます。ヘルパーや看護師は「駐車場が変わった」「鍵の置き場所が違った」「家族の電話番号が変わった」などを短く書きます。この記録を、「道順・駐車」「鍵・入り方」「連絡先の変更」「不在」など、先に決めた種類にAIで毎日分けます。種類ごとの決まりと例文を数個ずつ指示に書き、まず過去の記録100件ほどで人の判定と比べます。問題が多い訪問先を月ごとに並べれば、どこから直すかを決めやすくなります。ヘルパーや看護師に渡す行き方のメモは、AIに書き直し案を作らせ、事務の担当が確かめてから差し替えます。

まとめ

412フードレスキューは、ボランティアの感想を生成AIで毎日7種類の問題に分け、問題の多い寄付元と届け先の順位を月ごとに職員へ渡しています。過去の感想125件では、問題のある感想の97.4%を拾い、「問題あり」とした感想の83.3%が本当に問題ありでした。職員の手間がどれだけ減ったかの数字は出ていません。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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