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アレグロ、検索結果が合っているかの採点を人から生成AIに移し、自社の機械で動かしてクラウドのAIより費用を約6割減

2026.10.20
アレグロ、検索結果が合っているかの採点を人から生成AIに移し、自社の機械で動かしてクラウドのAIより費用を約6割減

アレグロ(Allegro)は、ポーランドでいちばん使われている通販サイトです。同社は、検索で出た商品が、客の打ち込んだ言葉に合っているかを、人が手で採点するやり方から、生成AIに採点させるやり方に移しました。初めはクラウドのAIを使い、そのあと自社の機械で動かす公開モデルも入れています。同社の技術者のブログ(2026年8月20日)によると、AIを動かす費用はクラウドのときより約60%減りました。人の採点との一致は、ポーランド語では同じ水準を保ちました。

何が起きたか

アレグロは1999年に競売のサイトとして始まり、いまはチェコ、スロバキア、ハンガリーでもサイトを開いています。2024年には、中東欧でアレグロを使って買い物をする人が2000万人を超えました。売り場は、車、家と庭、服、食料品など13の部門に分かれています。

検索の質を測るのは簡単ではありません。比較の試験や利用者の行動の数字を見れば、売上などが動いたかは分かります。それでも、検索で出た一つひとつの商品が言葉に合っているかまでは分かりません。これまでは、担当者がざっと見て確かめるか、人が細かく採点していました。人の採点は、時間とお金がかかります。

同社はまず、人の採点の決まりを作りました。採点は6段階です。

  • そのものずばりの商品
  • よく似た代わりの品
  • 代わりの品
  • 一緒に使う品(スマートフォンに合うケースなど)
  • 関係のない品
  • 判断できない

約30人の専門の担当が、ポーランド語・チェコ語・スロバキア語・ハンガリー語の検索語と商品の組を採点しました。1組を2人が互いに見ずに採点し、食い違えば、別の専門の担当が最後に決めます。こうして38万組を超える採点がそろいました。

次に、この決まりをそのまま生成AIへの指示に書きました。AIに渡す商品の情報は、名前だけです。試すと、例文を指示から外したほうが採点がよくなりました。反対に、「大事な決まり」と「順を追った読み方」を外すと、採点は大きく悪くなりました。

検索の質を測る社内の道具は、AIの採点を商品の並び順と合わせて、検索の並びの点数にまとめます。合わない商品が上の位置にあるほど、大きく点を引く数え方です。担当者が1つの検索をその場で調べることも、毎晩数千の検索語をまとめて測ることもできます。結果は、利用者への聞き取りや比較の試験の数字と並べて使い、検索のモデルを学び直す材料にもします。

採点の正しさと費用

初めはクラウドのモデル(Gemini 3.1 Flash Lite)を使いました。人の採点を正解として比べると、「そのものずばりの商品」はよく当たり、「よく似た代わりの品」と「代わりの品」の見分けは苦手でした。

🤖 採点の段 人の採点との当たり具合(1が最高)
そのものずばりの商品 0.94
一緒に使う品 0.83
関係のない品 0.52
よく似た代わりの品 0.51
代わりの品 0.33
全体(件数で重みを付けた平均) 0.88

出典:アレグロの技術ブログの表1(クラウドのモデル、選んだ一部のデータ)

クラウドのモデルは、たくさん使うほど費用が増えます。そこで同社は自社の機械で動かす公開モデルを試しました。いちばんよかったのは、グーグルの Gemma 4 26B を4ビットに軽くしたものです。ポーランド語では、人の採点との一致の度合い(1が完全な一致)が0.69で、クラウドのモデルの0.67と同じ水準でした。チェコ語、スロバキア語、ハンガリー語では、クラウドのモデルのほうが人の採点に近く、同社はこの3つの言語ではクラウドのモデルを勧めています。自社の機械のモデルは1秒に約16組を採点します。商品を1件ずつ渡すと、出力の形が崩れるのは0.2%未満でした。

📢 公表されている説明 ⚠️ こちらで確認できていないこと
自社の機械のモデルに替えて、AIを動かす費用が約60%減った 費用の金額、期間、どの言語を移したか
ポーランド語の一致は自社の機械で0.69、クラウドで0.67 同じブログの別の表では、クラウドも0.69
チェコ語・スロバキア語・ハンガリー語は、クラウドのほうが人に近い 外の人による確かめ
毎晩数千の検索語で検索の質を測る 採点を使って検索がよくなったか(売上や利用者の行動)

凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:アレグロの技術ブログ(2026年8月20日)

誰に関係するか

製造業の会社で、手順書や過去の不具合の報告を探す社内の検索を入れた、情報システムの担当にも使えます。生成AIに答えさせる仕組みでも、答えのもとになる文書を探すのは検索です。よく使われる検索語ごとに、出てきた文書が合っているかを、担当者が「そのもの」「似ているが別の機種」「関係ない」などの段で採点します。その決まりをAIへの指示に書き、まず人の採点とAIの採点がどれだけ一致するかを確かめます。一致が足りる段だけをAIに任せて、毎晩、検索の質の点数を出します。「似ているが別の機種の手順書」のような中間の段は、人が抜き取りで見ます。

まとめ

アレグロは、検索で出た商品が言葉に合っているかの採点を、人の採点の決まりを書いた生成AIに移しました。自社の機械で動かす公開モデルを入れると、AIを動かす費用はクラウドのときより約60%減り、ポーランド語では人との一致も同じ水準でした。費用の金額と、検索がよくなったかの数字は書かれていません。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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