米国の新しいAIラボ、リフレクション(Reflection AI)は2026年10月16日、初のモデル「ビーム(Beam)」の重みを公開しました。重みはモデルの中身そのもので、手元の機械に入れて動かしたり、自社のデータで鍛え直したりできます。使う条件は Apache 2.0 で、商用でも自由に使えます。同じ日に、外部の評価会社アーティフィシャル・アナリシス(Artificial Analysis)が測定の結果を出しました。米国製の公開モデルの中では2番目の点でした。
この記事はリフレクションのブログ(10月5日と16日)、ハギング・フェイス(Hugging Face)の解説(16日)、アーティフィシャル・アナリシスの記事(16日)、グーグル・クラウドのブログ(16日)にもとづきます。
ビームは5010億の部品(パラメーター)を持ち、1トークン(文章を区切った小さな単位)を作るごとに、そのうち約230億だけを動かす作りです。動かす部品が少ないので、答えを出す速さは小さめのモデルに近くなります。扱えるのは文章だけで、画像は読めません。一度に読める長さは100万トークンです。
特に力を入れたのは、プログラムを書く仕事と、道具を使いながら何段階も進める仕事です。リフレクションによると、事前学習に23.8兆トークンの文章を使い、そのあと計算用の半導体(GPU)1万500枚で4週間、強化学習(うまくいった答えに点を与えて学ばせる方法)をしました。
公開の日から、40を超える協力会社のサービスやソフトで使えます。アマゾン・ウェブ・サービスやグーグル・クラウドで呼び出せるほか、社外とつながない社内の機械に入れる方法も、デルとHPEが用意しています。リフレクション自身の窓口は無料で試せる段階です。
リフレクションのモデルの説明には、高い点が並びます。たとえば、実際のソフトの不具合を直す試験「SWE-bench Verified」で81.6%、端末で命令を打って作業を進める試験「Terminal-Bench 2.1」で80.1%です。
アーティフィシャル・アナリシスは10種類の試験を同じ条件で走らせ、まとめた点を出しています。ビームは30でした。米国製の公開モデルでは、メタ(Meta)の Muse Spark Open(39)に次ぐ2番目です。中国製を含む公開モデル全体では10番目で、重みを公開していない GPT-6 Astra(53)とは差があります。アーティフィシャル・アナリシスは、発表前にビームを試した協力会社の1つでもあります。
| 試験(外部の測定) | ビーム | 比べた相手 |
|---|---|---|
| 🧰 道具を使いながら、何段階もの仕事を進める(AutomationBench-AA) | 48.5% | K2 Horizon 37.2%、Qwen3.8 27B 48.2% |
| 💻 端末で命令を打って作業を進める(Terminal-Bench 4.0) | 3.0% | Qwen3.8 27B 5.6%、Muse Spark Open 8.1% |
| 📚 知識の問いに正しく答えた割合(AA-Omniscience) | 33% | K2 Horizon 18%、Qwen3.8 27B 16% |
| ❓ 正しく答えられなかった問いで、「分からない」と言わずに間違った答えを出した割合(同) | 47% | K2 Horizon 26%、Qwen3.8 27B 30% |
| 🧑💻 プログラムを書く作業を任せる(Coding Agent Index) | 28リフレクションの作業用ソフト「ミラー(Mirror)」で動かした場合 | 1つ上の組み合わせ(Claude Code と Qwen3.8 Max)43、首位 68 |
比べた相手は、アーティフィシャル・アナリシスが記事で並べたモデル。どれも同社が同じ試験で測った値。
数字はアーティフィシャル・アナリシスの記事(2026年10月16日)による。
開発元の「Terminal-Bench 2.1」の80.1%と、外部の「Terminal-Bench 4.0」の3.0%は、版の違う別の試験です。数字をそのまま比べることはできません。
外部の測定では、ビームが出す量は少なめでした。試験1問あたりの出力は、考える途中も含めて約2万6000トークンで、点が1つ上の K2 Horizon(約5万2000)の半分ほどです。出す量が少なければ、使うときの計算や料金は抑えやすくなります。ただし、リフレクションは料金をまだ出していません。
1トークンごとに動かす部品は一部でも、5010億の部品はすべて記憶に置いておく必要があります。ハギング・フェイスの解説では、そのままの形式で約1テラバイトあります。4ビットに縮めた形式でも約280ギガバイトです。この形式を動かせるエヌビディア(NVIDIA)の新しいGPU「B200」なら、2枚にはぎりぎり入ります。長い文章や同時の利用まで考えるなら、4枚が目安です。社内で動かすには、それだけの機械が必要です。
| 📢 公表されている説明 | ⚠️ こちらで確認できていないこと |
|---|---|
| コードの修正などの試験で高い点(SWE-bench Verified 81.6%など)リフレクションのモデルの説明。開発元の測定 | ⚠️ 同じ試験を、外部が同じ条件で測った結果 |
| 難しい推論の試験で、GLM-5.2 と同じくらいの点を3〜4分の1の計算で出せるリフレクションのブログ(10月5日)の説明。グーグル・クラウドのブログも同じ趣旨。外部の測定でも1問あたりの出力は少なめ | ⚠️ 使うときの料金(リフレクションは未公表。自社の窓口は無料の試用の段階) |
| 社外とつながない社内の機械でも動かせるデルとHPEが用意すると、リフレクションのブログに記載 | ⚠️ 会社の実際の業務で使った例と、その結果 |
凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
説明は、リフレクションのブログ(2026年10月5日・16日)、ハギング・フェイスの解説(10月16日)、グーグル・クラウドのブログ(10月16日)による。
社外に出せない書類をAIで扱いたくて、自社で動かせる公開モデルを探している会社に関係します。
たとえば、職員100人ほどの法律事務所が、依頼者の契約書を外に出さずに、AIで条文の抜けを探したいとします。モデルを選ぶときに、開発元の表の高い点だけで決めると、弱いところを見落とします。ビームの場合、外部の測定では、知らない問いに当て推量で答える割合が比べた相手より高めでした。契約書の確認で困るのは、それらしい条文を作って答えることです。そこで、過去に事務所で確かめた契約書の指摘を20件ほど用意し、候補のモデルごとに、正しく指摘した数と、ない条文を答えた数を数えます。ビームを事務所の中で動かすにはGPU4枚ほどの機械が要るので、試す段階では依頼者の名前や金額を消した契約書を使い、取引のあるクラウドの窓口で比べてから決めます。
リフレクションは初のモデル「ビーム」の重みを、商用でも自由に使える条件で公開しました。外部の評価会社の測定では、米国製の公開モデルで2番目の点でした。知識の問いに正しく答えた割合は、比べた相手を上回りました。一方で、端末の操作の試験は低く、知らない問いに当て推量で答える割合も高めでした。開発元の表の数字と外部の数字は試験が違い、そのまま比べられません。