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ポーランドのミェンジズドロイェ町役場、公正証書から項目を抜き出すAIを役場の中の機械で試し、職員が元の文書の箇所を見て値を確定する

2026.10.23
ポーランドのミェンジズドロイェ町役場、公正証書から項目を抜き出すAIを役場の中の機械で試し、職員が元の文書の箇所を見て値を確定する

ポーランドのミェンジズドロイェ(Międzyzdroje)町役場は、公正証書から当事者や不動産の項目を抜き出すAI「エクストラクト(ExtrAct)」を、役場の中の機械で動かして試しています。デジタル省の発表(2026年7月24日)と、それを伝えた業界紙によると、実際の公正証書366通での抜き出しの成功率は94.96%でした。ただし、何を正解として測ったかは出ていません。

この事例で分からないこと

  • 94.96%を、何を正解として、だれが測ったか(職員が手で読んだときとの比べもない)
  • 大臣の言う「職員の仕事が平均5分の1」の測り方
  • 外の人による確かめ(出典は省の発表と報道だけで、報告書や論文はない)

何が起きたか

町役場では、不動産の税や土地の管理のために、売買などの公正証書を読み、当事者や物件の情報を写す仕事があります。公正証書には十数ページから数十ページのものがあります。町長のマテウシュ・ボベク(Mateusz Bobek)さんは、この町に公正証書が多いことを、この仕組みを選んだ理由に挙げています。

エクストラクトは、デジタル省がお金を出すイデアス研究所(Instytut Badawczy IDEAS)が作りました。2026年7月の報道の時点で、町役場は7か月試しています。

AIの使い方

  • 読むもの: 公正証書、土地と建物の登記の記録、土地と建物の台帳
  • 抜き出すもの: 当事者、不動産の中身、権利の書きぶり。公の登記の情報も足し、食い違う所を示します
  • 確かめ方: 抜き出した値はどれも、元の文書の箇所とつながっています。職員はクリックで元の箇所を見て、確かめてから確定します
  • 動かす場所: 外のAIの会社を使わず、役場の中のネットワークの機械だけで動きます

AIの中身は詳しく出ていません。省は、多くの役場には言語モデル(LLM)を動かせる機械がなく、機械の購入をすすめることが多い、と説明しています。

発表された数字

📄 試したこと 発表された数字
試した公正証書 366通(平均26.59ページ、長いものは76ページ、42%超が30ページ超)
抜き出しの成功率(全体) 94.96%
不動産の項目 94.47%
当事者の項目 94.96%
権利の書きぶりの分析 98.21%

出典:業界紙 CRN(2026年7月26日)。省の発表は「350通超」「約95%」「98%超」と書く。何を正解として測ったかは、どちらにも書かれていない。

デジタル省の大臣クシシュトフ・ガウコフスキ(Krzysztof Gawkowski)さんは、町役場を訪れたあと「職員の仕事は平均5分の1になる。公正証書の扱いで5人が要った仕事を、今は1人でできる」と話しました。町長は「手で数時間かかっていたことが、数分になる」と言います。

費用は町で年に約2万ズウォティ(約80万円。1ズウォティ40円で換算)で、使っているのは7人です。町長によると、30〜40年働いてきた人も使い方を覚える必要がありますが、今は職員がこの道具を信頼するようになりました。省は2026年8月から、ほかの役場にも試しを呼びかけています。

公表された説明と、確かめられていないこと

📢 公表されている説明 ⚠️ こちらで確認できていないこと
抜き出しの成功率は94.96% 何を正解として、だれが測ったか。職員が手で読んだときの誤りとの比べ
職員の仕事は平均5分の1、5人の仕事を1人で 測った期間と件数(大臣の発言で、数字の出どころが出ていない)
手で数時間かかっていたことが数分 どの作業を何件測ったか(町長の話)
ほかの役場でも使える 別の役場や別の書類での結果(今は1つの町役場の試験)
省の発表と報道 外の人による確かめ。報告書や論文

凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:デジタル省の発表(2026年)、CRN(2026年)、ジェチポスポリタ紙(ポーランド通信の記事、2026年)

誰に関係するか

不動産の仲介や管理、司法書士や行政書士の事務所で、売買の契約書や登記簿を読み、物件や当事者の情報を管理の表に手で写している事務の担当にも使えます。写す項目を先に決め、AIに抜き出させて表にします。値ごとに元の文書のどこから取ったかを示させ、担当がクリックで確かめてから確定します。外に出せない書類なら、事務所の中の機械で動く形を選びます。始める前に、過去の書類50通ほどで、担当が手で写した表とAIの表を項目ごとに比べ、どの項目で外れるかを数えておきます。

まとめ

エクストラクトは、公正証書から当事者や不動産の情報を手で写す手間を減らす道具で、値を確定するのは職員です。ミェンジズドロイェ町役場では7人が使い、費用は町で年に約80万円です。94.96%は何を正解として測ったかが出ておらず、「仕事が5分の1」も測り方の分からない大臣の発言です。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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