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ドイツのノイハウゼン町、町議会の議事録の下書きを録音からAIで作り、職員が直して町長が確かめる形にした

2026.10.26
ドイツのノイハウゼン町、町議会の議事録の下書きを録音からAIで作り、職員が直して町長が確かめる形にした

ドイツ南西部のノイハウゼン町(Neuhausen im Enzkreis)は、町議会の録音から議事録の下書きをAIで作っています。職員が下書きを直し、町長が最後に確かめます。町長のザビーネ・ワグナー氏は、議事録1回に3日かかっていた作業が1日になったと見積もっています。数字はどれも町長の見積もりで、測った記録はありません。使っているAIのモデルの名前、下書きの誤りの割合、使った会議の回数も出ておらず、出典は導入した会社の発表と業界誌の取材1本だけです。

この事例で分からないこと

  • 「3日が1日」「30分が5分」「職員の約95%が使う」は、どれも町長の見積もりです。測った記録はありません
  • 使っているモデルの名前、下書きの誤りの割合、使った会議の回数が出ていません
  • 出典は、仕組みを納めた会社の発表と事例ページ、業界誌の取材記事1本です。外の人による検証はありません

何が起きたか

ノイハウゼン町は、バーデン=ヴュルテンベルク州のエンツ郡にある小さな町です。2026年5月19日、町議会はデジタル化の計画を全員の賛成で決めました。役場の仕事を、ばらばらの事業ではなく長い期間の方針として変えていく計画です。

その直後、町はシュツットガルトのエントレコード(entrecode)が作るAIの仕組みを役場に入れました。2026年6月2日の発表で、町長は「最初の町のひとつとして、この一歩を踏み出せたことを誇りに思う」と話しています。

取材記事によると、町は誰でも使える外のAIのサービスを使わず、役場の仕事向けに作られたドイツの会社の仕組みを選びました。会社の事例ページは、町が個人情報の規則に合うことを仕組みの側で満たすものを求めた、と書いています。

AIの使い方

業界誌コムナール(KOMMUNAL)の取材記事(2026年10月9日)によると、AIはまず、くり返しの多い仕事に使っています。

  • 町議会の議事録:会議の録音から、AIが下書きを作ります。職員が直し、町長が仕上がった議事録を自分で確かめます。
  • 町議会に出す資料:議案の資料づくりの下準備に使います。
  • 結婚式で読む文:職員が二人と事前に話したあと、決まった手引きに沿って、AIが下書きを作ります。

取材記事によると、仕組みは公開されているモデルを「自前のサーバー」で動かします。町と会社のどちらのサーバーかは書かれていません。データは決めた仕組みの中にとどまり、外の会社には渡さず、処理と保管はドイツのサーバーで行います。モデルの名前も出ていません。

町は、決まりもそろえました。

  • 個人情報を扱う委託の契約を、EUの個人情報の規則(GDPR)の28条に沿って結びました。
  • 職員がAIをどう使ってよいかを、職場の決まりにしました。
  • AIの相談役の職員を1人置きました。
  • 職員は使い方の研修を受け、新しい機能を伝える担当も置きました。

町長は「AIも間違える。職員が結果を確かめ、中身を判断しなければならない」と話しています。AIが自分で決めることはさせません。

発表された数字

📊 仕事 導入前 導入後 だれの数字か
町議会の議事録(1回) 3日 1日 町長の見積もり
結婚式で読む文の下書き 約30分 約5分 町長の説明
AIを使い、受け入れている職員 ― 約95% 町長の見積もり

出典:コムナール「KI im Rathaus – aber sicher」(2026-10-09)

町長は、ふつうの会議なら2日分の作業が減ると見ています。会社の発表と事例ページは「時間のかかる仕事を引き受け、役場の流れを速くした」と書きますが、数字はありません。

町長は、届いたメールの仕分けと返事の下書きにもAIを使いたいと考えています。ただ、個人情報の扱いの条件がまだそろっていません。「今日、規則に合っていることが、明日には問題になりうる」と話しています。

公表された説明と、確かめられていないこと

📢 公表されている説明 ⚠️ 確認できていない点
議事録1回が3日から1日になった だれが、何回の会議で、どう測ったか
職員の約95%が使い、受け入れている 職員の数、使った回数
公開されているモデルをドイツのサーバーで動かす モデルの名前、下書きの誤りの割合
データは外の会社に渡さない 外の人による仕組みの点検
町長が議事録を確かめる 直した量や、直すのにかかる時間

凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:エントレコードの発表(2026-06-02)・事例ページ、コムナールの取材記事(2026-10-09)

誰に関係するか

小さな会社や団体の総務で、会議の議事録や、決まった型のあいさつ文・報告書の下書きに時間を取られているなら、ノイハウゼン町の分け方が参考になります。AIに任せるのは下書きだけにし、直す人と最後に確かめる人を先に決めます。

仕組みと合わせて、個人情報を扱う委託の契約、使い方の決まり、相談役の職員も用意します。ノイハウゼン町は3つともそろえています。議事録1回にかかる時間は、導入の前から残しておくほうがよいでしょう。

まとめ

ノイハウゼン町の数字は、町長が取材で話した見積もりだけで、町が測った記録はありません。モデルの名前と下書きの誤りの割合も、会社の発表と取材記事のどちらにも載っていません。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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