米ワシントン州ベルビュー市は、建築許可の相談に答える職員のために、AIの助手を入れました。助手は市の規則や地図から、出典つきの答えの下書きを1分未満で作ります。使う職員は約40人から約200人に増えました。職員の見積もりでは、2026年6〜7月の1か月で152時間を節約しました。申請者向けの助手は、過去の申請で後から試した段階で、本物の申請者はまだ使っていません。
ベルビュー市の開発の手続きの部署と情報技術の部署は、2025年8月、AIの新興企業ガブストリーム(Govstream.ai)と組んで、建築許可の手続きにAIを試すと発表しました。ガブストリームは投資を受けて行政向けの道具を作る会社です。市は、許可の手続きを速くして、住宅や商業の建物を建てやすくすることをねらっています。
最初の段階では、窓口の職員が客を手伝うときの助手を作りました。2026年8月の市のPDFによると、使う人は試験の約40人から約200人に増え、第1段階は試験から本番に移りました。いまは第2段階で、申請者が出す前に要るものを分かるように案内する道具と、届いた申請の振り分けにAIを使う道具に取り組んでいます。
職員向けの助手には、市の規則、地図のデータ、許可のデータなどを学ばせてあります。
申請の前の相談では、職員がふだんしている下調べを助手が行います。市の規則、用途地域の決まり、土地の情報、過去の許可の記録などから、出典つきの答えの下書きを1分未満で作ります。客に答えるのは、職員が下書きを確かめて直したあとです。市の連携のページは、AIの答えはどれも元のデータや規則に結びつき、最後に決めるのは人だと書いています。住民のデータで外のモデルを学ばせることはしません。
申請者向けには、2つの道具を試しています。1つは、土地の条件に合わせて、どの許可が要り、どの書類や図面が要るかを教える道具です。もう1つは、申請者が図面と書類を入れると、中身を読み取って書式を埋め、そろい具合をその場で点数にする道具です。
職員向けの助手では、相談の案内にかかる時間を30%減らすことを目標にしています。2026年6〜7月の1か月で、職員は152時間を節約したと見積もりました。市のPDFは、30%の目標に向けて順調だと書いています。
申請者向けの道具は、ガブストリームが過去の申請を使って後から試しました。
| 📊 後から試した申請 | 件数 | 市のこれまでの割合 | → | 道具で試した結果 |
|---|---|---|---|---|
| 住宅の建築許可(新しい一戸建てと大きな増築)。最初の提出で書類がそろう割合 | 2025年の276件 | 22% | → | 67% |
| 同じ申請で、要る書類全体のうち正しく挙げた割合 | 同上 | — | → | 96% |
| 木を切る許可。最初の提出で書類がそろう割合(3回の調整のあと) | 265件 | 40% | → | 76% |
| 同じ申請で、要る書類全体のうち正しく挙げた割合 | 同上 | — | → | 1回目74%、3回目86% |
出典:ベルビュー市のPDF「Govstream.ai Partnership」(2026-08-04)の後半、ガブストリームの事例のページ
市のPDFによると、くじで選んだ最近の住宅の申請276件のうち78%は、最初の提出で要る書類が1つ以上足りませんでした。書類が足りないと、出し直しで2〜4週間のびます。
| 📢 公表されている説明 | ⚠️ 確認できていない点 |
|---|---|
| 1か月で152時間を節約した | 測り方と、もとの時間。もとの時間がないので、30%の目標にどこまで近いかは分からない |
| 書類がそろう申請が3倍になった(22%→67%) | 本物の申請者が使ったときの割合。後から試すときの「そろった」の決め方 |
| 要る書類の96%を正しく挙げた | 「要る書類」の正解をだれがどう決めたか。書類の総数 |
| 出し直しを50%減らす | 出し直しが実際に減ったか |
| 住民の地域で不公平が出ないか試し続ける | 試しの方法と結果 |
凡例:📢=当事者が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:ベルビュー市のPDF(2026-08-04)・連携のページ。使っているモデルの名前と費用は、どちらにも書かれていません
市は、段階が終わるたびに数字を出し、試験が終わった道具から、ふだんの仕事に入れるかを決めるとしています。
部品や工事の見積もりの問い合わせに、規格や料金表を調べて答えている営業事務では、AIに出典つきの答えの下書きを作らせ、送る前に担当者が確かめる形がとれます。
保険の請求や補助金の申し込みを受け付ける窓口で、書類の不足で出し直しが多いなら、過去の申し込みを使って、道具がどれだけ不足を見つけるかを先に試せます。
効果を記録するときは、助手を使い始める前の相談1件あたりの時間も測っておくと、30%のような目標にどこまで来たかを比べられます。
効果の数字のうち、本番で使う職員から出たのは152時間の見積もりだけです。書類がそろう割合は会社が後から試した数字で、30%と50%は目標です。