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米スイスン・シティ、市のサイトの情報で答えるAIの電話の受付を、料金の問い合わせの番号にも広げた

2026.10.28
米スイスン・シティ、市のサイトの情報で答えるAIの電話の受付を、料金の問い合わせの番号にも広げた

米カリフォルニア州のスイスン・シティは、市のサイトの情報で答えるAIの電話の受付を、料金の問い合わせの専用の番号にも広げました。作った会社は、財務の番号の電話の約7割を職員につながずに終えたと数えていますが、住民の用事が済んだかまでは見ていません。時間の節約などの数字もすべて会社の見積もりで、入れる前の測り方がなく、外の人による確かめもありません。

この事例で分からないこと

  • 数字はすべて会社の見積もりで、市が出した資料は見つかりません
  • 入れる前に職員が電話にかけていた時間を、どう測ったかが書かれていません
  • 「解決」は職員につながなかった電話のことで、支払いなどの用事が済んだかは数えていません
  • 外の人による確かめはありません

何が起きたか

スイスン・シティ(Suisun City)は人口約3万人の市で、職員は約100人です。住民の質問の電話が、少ない職員に何度も届いていました。

市は2025年9月、代表の電話にAIの受付を置きました。作ったのは、市町村向けの道具を作る米国の会社ポリモーフィック(Polimorphic)です。市はこのAIを「スージー(Susie)」と呼び、サイトでも同じAIが答えます。

財務の課には、水道料金の電話が多く来ていました。電話での支払いは外の会社が受けるので、職員は支払いの手順を話し、外の会社に電話を回すことをくり返していました。会社の事例のページは、こうした電話が1日に40本あったとしています。市は2025年12月、財務の専用の番号にもAIの受付を置きました。

AIの使い方

スージーは、市のサイトと警察のサイトに出ている情報で答えます。市の中のデータや、住民ごとの料金の口座は見ません。料金の仕組みを作ったタイラー・テクノロジーズ(Tyler Technologies)の道具ともつながっていないので、料金について一般の説明をして、支払いの会社を案内します。

会社が2024年12月に出した説明の資料では、AIはオープンAIの言語モデル「GPT-4o」を使い、市のサイトや書類から合う情報を探して答えます。答えが見つからないときは、電話を合う課に回します。この資料は会社全体の説明で、スイスン・シティでも同じモデルかは書かれていません。

市は、AIを使う決まりを作っていません。会社は、AIが見られる情報をしぼり、やりとりを後から見られるようにして、安全と個人の情報を守るとしています。

会社の担当者は毎月、市の行政をまとめる部署(シティ・マネージャーの事務所)のマイケル・エルム氏と電話の記録を見直しています。同じ質問が何度も来ると、市のサイトの説明が足りないと分かります。見直しで、サイトに足りない情報が見つかりました。

発表された数字

📊 項目 数字 → 数え方
財務の番号の電話 月に約1,500本 → 会社が数えた
職員につながずに終えた電話 約70% → 職員に回さなかった電話を「解決」と数える
減った職員の時間(はじめ) 月に約40時間、年に約2万5,000ドル(約375万円。1ドル150円で換算) → 会社の見積もり
減った職員の時間(その後) 始めてから1万1,659本で約415.3時間 → 会社の担当者が出した見積もり
財務の番号を足す作業 約1時間 → 会社の説明

出典:シティーズ・トゥデイ(2026-10-19)、ポリモーフィックの事例のページ。入れる前の時間の測り方と、比べる組は書かれていません

記事は、時間と金額は見積もりで、支出が減ったわけではないと書いています。会社の事例のページは、月に40時間を、入れる前の手間としても、減った時間としても書いています。月に約1,500本と、約10か月で1万1,659本(月に約1,170本)も、そろっていません。

公表された説明と、確かめられていないこと

📢 公表されている説明 ⚠️ 確認できていない点
財務の電話の約7割を職員につながずに終えた 案内を聞いた住民が、支払いを終えたか
月に約40時間を減らした 入れる前の時間を、どう測ったか
1万1,659本で約415.3時間を減らした 1本あたりの時間の決め方
足す作業は約1時間だった 市の職員がかけた時間の全体
AIはGPT-4oと検索の仕組みで答える スイスン・シティで使うモデル。誤った答えの数
7割・40時間・415.3時間の数字(会社の担当者が出した) 市が出した記録。外の人が確かめた記録

凡例:📢=当事者(市・会社)が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:シティーズ・トゥデイ(2026-10-19)、ポリモーフィックの事例のページ、会社の説明の資料(2024-12-01)

誰に関係するか

マンションの管理組合の事務では、ごみの日や駐車場の手続きの電話が何度も来ます。すでに掲示やサイトに出している情報だけで答える形なら、住民ごとの記録に触らずに始められます。

学校の事務室でも、行事の日や持ち物の電話に、出している案内から答える使い方が考えられます。毎月、電話の記録を見て、何度も来る質問から、案内の足りない所を直せます。

効果を数えるときは、何を「解決」と呼ぶかを先に決めます。スイスン・シティの「解決」は、職員に回さなかった電話のことでした。

まとめ

市は次に、申請の手続きのように、住民ごとの記録を扱う仕事にAIを広げることを考えています。記事は、そうなれば市の中のデータにつなぐ準備が要ると書いています。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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