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スペインのビラフランカ・デル・ペネデス市、住民の届け出の回し先を機械学習で当て、1年で約2,150件を職員の振り分けなしで回した

2026.10.29
スペインのビラフランカ・デル・ペネデス市、住民の届け出の回し先を機械学習で当て、1年で約2,150件を職員の振り分けなしで回した

スペインのビラフランカ・デル・ペネデス市は、住民の届け出をどの課に回すかを、機械学習のモデルに当てさせています。1年の運用で約5,000件を扱い、約2,150件をモデルの予測で自動で回しました。迷うものは、予測を付けて職員に残します。市が書いた試みの記録を、バルセロナ県が自治体向けのサイトで紹介しています。約90%という当たりの数字は、何件を何と比べたかが書かれておらず、外の人による確かめもありません。

何が起きたか

ビラフランカ・デル・ペネデス(Vilafranca del Penedès)は、カタルーニャ州バルセロナ県の市です。市には、決まった書式のない「一般の届け出」が、電子の手続きの仕組みを通して1日に20〜25件届きます。

届け出は、住民の窓口の職員が1件ずつ読み、担当の課に回していました。窓口はほかの仕事も多く、この振り分けが重荷になっていました。

市には、職員がすでに振り分けた過去の届け出が約2万8,000件ありました。市はこの記録を使い、新しい届け出の回し先を当てる仕組み「IAインスタンシエス(IAInstàncies)」を作りました。

AIの使い方

市は、ランダムフォレストという機械学習の方法を使いました。過去の届け出の「申し出の内容」と「お願いすること」の2つの欄の文と、職員が回した先の課を組にして、モデルに学ばせました。学ばせる前に、文から数字を含む語や1文字の語、意味の薄い語を除き、大事な語の重みを上げています。

新しい届け出は15分ごとに次の順で扱います。

  1. 届け出に手続きの番号などが書かれていれば、モデルを使わずに、その番号で回します
  2. 番号がなければ、モデルが回し先の候補を5つ、点数つきで出します
  3. 1位の候補が2位より20点を超えて高いときだけ、そのまま回します
  4. 差がそれより小さいときは回さずに、予測を書き添えて窓口の職員に残します

職員は予測を見て、合っていれば使い、まちがっていれば直します。ダッシュボードでは振り分けの一覧や数を見られ、誤りに書き込みも付けられます。

運用の前に、2か月の試しをしました。この間、窓口の職員がモデルの予測を確かめ、市はそれに合わせてモデルと文の下ごしらえを直していきました。

発表された数字

📊 項目 数字
運用1年で扱った届け出 約5,000件
手続きの番号で自動で回した 1,300件
モデルの予測で自動で回した 2,150件
回さずに、予測を付けて職員に残した 約1,550件
当たり 約90%

出典:市の試みの記録(バルセロナ県 Local.iA に掲載)、県のページ。当たりの数字は、何件を何と比べたかが書かれていません

市は、自動で回した件数を「約3,450件」とまとめています。このうち1,300件は番号で決まる分で、残る2,150件をモデルの予測で回しました。

約90%の当たりについて、市の資料は、仕組みが残した動きの記録と、ダッシュボードで職員が見つけた誤りから出したとだけ書いています。自動で回した分だけの数字か、職員に残した分の予測も含むのかは分かりません。

市は、職員の時間と手間が大きく減ったと書いていますが、時間の数字は出していません。

公表された説明と、確かめられていないこと

📢 公表されている説明 ⚠️ 確認できていない点
1年で約5,000件を扱った 運用の始まりと終わりの日付
約2,150件をモデルの予測で自動で回した 自動で回した分のうち、まちがった課に届いた数
当たりは約90% 何件を何と比べた数字か
職員の時間と手間が大きく減った 入れる前と後の時間
過去の約2万8,000件で学ばせた 学ばせた分と、試した分の分け方
期待した結果が出た 外の人による確かめ

凡例:📢=市と県が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:市の試みの記録(PDF)、バルセロナ県 Local.iA のページ、地元紙ラ・シウタット(2026-04-29)

誰に関係するか

大学の事務室で、問い合わせのフォームに来た依頼を、学生課や教務課に手で振り分けている担当者は、同じ形を考えられます。過去に振り分けた記録が、そのまま正解の手本になります。

マンションの管理会社で、住民の連絡を修理や清掃の担当に回している人にも当てはまります。部屋の番号や受付の番号で決まるものを先に決まりで回せば、モデルに任せる分を減らせます。

自信のある予測だけを自動で回し、迷うものは予測を付けて人に残せば、人は迷う分だけを確かめれば済みます。

まとめ

市は次に、新しく届いた届け出を足して、モデルを定期的に作り直すとしています。

参考文献

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Kamone
著者 Kamone

30歳で学者志望からITエンジニアに転身。通信・金融業界におけるインフラ領域を中心に、オンプレミスからクラウドまで幅広く経験。AWS学習コミュニティでは公認メンターとして教材制作や講師を務める。現在はリツアンSTCにて事業推進に携わり、AI活用とエンジニア支援の高度化に取り組んでいる。

Kamone
著者 Kamone

株式会社リツアンSTC社員。

1984年 東京都中野区生まれ。

大学中退後、工場や警備員などを経て、何もスキルが身についていないことに危機感を覚える。
2014年 何か手に職をつけなければと思い、電子専門学校からエンジニアになった弟を見て「コイツにできるなら俺もできる」と安易な考えで未経験からIT業界に飛び込む。
そこは「まともな案件に入れなければ営業としてこき使われるか中国に送られるらしい」と恐ろしい噂が飛び交う会社だった。
「とんでもないところに来てしまった…」と戦慄するも、運よく大手新聞社系のインフラチームから声がかかり、エンジニアとしてのスタートを切る。

その後、SESを転々としながら通信・金融業界のオンプレ・クラウド案件を中心にインフラエンジニアとして経験を積む。

2021年 AWS学習サービス「Cloudtech」に参加し、公認メンターとして書籍出版プロジェクトや教材制作・講師などのコミュニティ・サービス運営に関わる。

2023年 ゆとりーマンのYoutube動画で新興SESの闇とリツアンの存在を知り、転職。(当時所属していたSES企業が動画で紹介されていた特徴に当てはまっていて愕然)
その後、CloudTechとリツアンの橋渡し役を担い、合同プロジェクト「テラコヤテック」の運営に関わる。
2025年 リツアンの「エンジニアに一円でも高い報酬を」「会社は社員に使われるためにある」「出入り自由」といったスタンスに共鳴。エンジニアから転向し、リツアンの事業推進に参画。
現在に至る。

他人の文体を真似たり、他人が書いた文章を手直しするのが得意、という若干嫌な気持ちにさせる特技を持つ。
AI活用を鋭意研究中。
(リツアンいいとこ一度はおいで。)

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