スペインのビラフランカ・デル・ペネデス市は、住民の届け出をどの課に回すかを、機械学習のモデルに当てさせています。1年の運用で約5,000件を扱い、約2,150件をモデルの予測で自動で回しました。迷うものは、予測を付けて職員に残します。市が書いた試みの記録を、バルセロナ県が自治体向けのサイトで紹介しています。約90%という当たりの数字は、何件を何と比べたかが書かれておらず、外の人による確かめもありません。
ビラフランカ・デル・ペネデス(Vilafranca del Penedès)は、カタルーニャ州バルセロナ県の市です。市には、決まった書式のない「一般の届け出」が、電子の手続きの仕組みを通して1日に20〜25件届きます。
届け出は、住民の窓口の職員が1件ずつ読み、担当の課に回していました。窓口はほかの仕事も多く、この振り分けが重荷になっていました。
市には、職員がすでに振り分けた過去の届け出が約2万8,000件ありました。市はこの記録を使い、新しい届け出の回し先を当てる仕組み「IAインスタンシエス(IAInstàncies)」を作りました。
市は、ランダムフォレストという機械学習の方法を使いました。過去の届け出の「申し出の内容」と「お願いすること」の2つの欄の文と、職員が回した先の課を組にして、モデルに学ばせました。学ばせる前に、文から数字を含む語や1文字の語、意味の薄い語を除き、大事な語の重みを上げています。
新しい届け出は15分ごとに次の順で扱います。
職員は予測を見て、合っていれば使い、まちがっていれば直します。ダッシュボードでは振り分けの一覧や数を見られ、誤りに書き込みも付けられます。
運用の前に、2か月の試しをしました。この間、窓口の職員がモデルの予測を確かめ、市はそれに合わせてモデルと文の下ごしらえを直していきました。
| 📊 項目 | 数字 |
|---|---|
| 運用1年で扱った届け出 | 約5,000件 |
| 手続きの番号で自動で回した | 1,300件 |
| モデルの予測で自動で回した | 2,150件 |
| 回さずに、予測を付けて職員に残した | 約1,550件 |
| 当たり | 約90% |
出典:市の試みの記録(バルセロナ県 Local.iA に掲載)、県のページ。当たりの数字は、何件を何と比べたかが書かれていません
市は、自動で回した件数を「約3,450件」とまとめています。このうち1,300件は番号で決まる分で、残る2,150件をモデルの予測で回しました。
約90%の当たりについて、市の資料は、仕組みが残した動きの記録と、ダッシュボードで職員が見つけた誤りから出したとだけ書いています。自動で回した分だけの数字か、職員に残した分の予測も含むのかは分かりません。
市は、職員の時間と手間が大きく減ったと書いていますが、時間の数字は出していません。
| 📢 公表されている説明 | ⚠️ 確認できていない点 |
|---|---|
| 1年で約5,000件を扱った | 運用の始まりと終わりの日付 |
| 約2,150件をモデルの予測で自動で回した | 自動で回した分のうち、まちがった課に届いた数 |
| 当たりは約90% | 何件を何と比べた数字か |
| 職員の時間と手間が大きく減った | 入れる前と後の時間 |
| 過去の約2万8,000件で学ばせた | 学ばせた分と、試した分の分け方 |
| 期待した結果が出た | 外の人による確かめ |
凡例:📢=市と県が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:市の試みの記録(PDF)、バルセロナ県 Local.iA のページ、地元紙ラ・シウタット(2026-04-29)
大学の事務室で、問い合わせのフォームに来た依頼を、学生課や教務課に手で振り分けている担当者は、同じ形を考えられます。過去に振り分けた記録が、そのまま正解の手本になります。
マンションの管理会社で、住民の連絡を修理や清掃の担当に回している人にも当てはまります。部屋の番号や受付の番号で決まるものを先に決まりで回せば、モデルに任せる分を減らせます。
自信のある予測だけを自動で回し、迷うものは予測を付けて人に残せば、人は迷う分だけを確かめれば済みます。
市は次に、新しく届いた届け出を足して、モデルを定期的に作り直すとしています。