英国のリーズ教育病院NHSトラストは、救急外来で、診察の会話からAIにカルテの下書きを作らせる試験をしました。病院は、記録の時間が61%減り、1回の診察で13分短くなったとしています。ただ、何人の医師の何件の診察で、どう測ったかも、入れる前に何分かかっていたかも出ていません。薬とアレルギーの正確さも「高い」とだけ書かれ、数字も外の人による確かめもありません。
この事例で分からないこと
リーズ教育病院NHSトラスト(Leeds Teaching Hospitals NHS Trust)は、英国の国の医療(NHS)でいくつもの病院を運営する組織です。試験を率いた救急の専門医は、忙しい救急外来で、AIは医師の事務を減らす助けになる見込みがあると話しています。
病院は、英国の会社トータス(TORTUS)と組み、リーズ総合病院の救急外来で試験をしました。場所は、歩いて来た患者を診る区画です。期間は2026年2月から4月の3か月でした。
AIは、診察の会話を聞き、カルテの下書きを自動で作ります。医師は、安全な端末と無線のマイクを使います。下書きは医師が細かく確かめ、自分で記録を仕上げます。
患者の情報は、英国の中のクラウドに暗号をかけて置きます。診察の音声と書き起こしは一時的に置くだけで、使ったら自動で消します。
トータスは、NHSの医師と技術者が2022年に作った会社です。音声を文字にする技術とAIで、カルテ、紹介状、病名などの分類の番号を作るとしています。使っているAIのモデルの名前や種類は、お知らせには書かれていません。
| 📊 項目 | 病院の説明 |
|---|---|
| 記録の時間 | 61%減った |
| 1回の診察で短くなった時間 | 13分 |
| 薬とアレルギーの正確さ | 高いまま(数字はない) |
| 重い安全の出来事 | 3か月の間なし |
| 医師の声 | 事務の仕事で疲れることが減り、画面ではなく患者に向き合いやすくなった |
出典:リーズ教育病院NHSトラストのお知らせ(2026-10-27)。人数・件数・測り方は書かれていません
61%と13分が、同じ記録の時間を測った数字なのかも、お知らせからは分かりません。
| 📢 公表されている説明 | ⚠️ 確認できていない点 |
|---|---|
| 記録の時間が61%減った | 測り方、医師の人数、診察の件数 |
| 1回の診察で13分短くなった | 入れる前と後の、1回の記録の時間 |
| 薬とアレルギーの正確さは高いまま | 何件を調べて、何件が正しかったか |
| 重い安全の出来事はなかった | 軽い誤りの数と中身 |
| トータスは2026年6月にクラスIIaの医療機器になった | 試験の時期の道具と同じ版か |
| 秋から救急外来に順に入れる | 広げたあとの数字 |
| 試験の評価で、よい結果が出た | 評価の報告書の中身と、外の人による確かめ |
凡例:📢=当事者(病院・会社)が公表している説明 ⚠️=出典に書かれておらず、こちらで確認できていない点
出典:リーズ教育病院NHSトラストのお知らせ(2026-10-27)。評価の報告書は公開されておらず、外の人による確かめはありません
トータスは2026年6月、英国の医療機器の仕組み(UKCA)で、診察の会話を聞く道具として初めてクラスIIaに認められたと、お知らせは書いています。外の認証の機関が道具の安全と性能を審査したもので、リーズの試験の数字を確かめたものではありません。
訪問介護で、利用者の家での様子を話しながら記録を書くヘルパーの事業所は、同じ形を試せます。会話から下書きを作らせ、仕上げは必ず人が確かめます。
車の整備工場の受付で、客の話から作業の指示書を書いている担当者にも当てはまります。
試す前に、1件の記録にかかる時間と、まちがえると困る項目を決めて数えておくと、あとで効果を比べられます。リーズの例では、この数字が公開されていません。
病院は今後、使い方と研修を直し、救急の看護師や、重い患者、軽いけが、子どもを診る区画にも広げるとしています。